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【コラム】水で健やか!

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私の専門は、ウイルス、細菌、寄生虫などの微生物による感染症です。

これらの病気は飲料水が媒介していることが多く、私は世界70カ国以上の飲料水を40年前から調査研究してきました。その調査の結果、体によい水がたくさんあることがわかりました。
今回「水で健やか」というテーマで、世界各地にある「健康に良い水」を紹介しようと思います。

「健康に良い水」は一種類の水ではありません。人それぞれに合った水があるのです。

今回のシリーズでは水が持つ不思議な性質と私たちの健康に及ぼす影響について「ウォーターレシピ」を示しながら、紹介したいと思います。ご期待ください。

良い水を求める世界の旅

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私は40年間にわたり世界の約70カ国を何回も訪れ、世界各地の飲料水について調査、研究をしてきました。「良い水を求める世界の旅」と名付けていろいろな国を訪ね、実際に水質を調査したり、飲んでみたりしました。

その中で最も印象に残っているのが、ヒマラヤ山麓の高原地帯に暮らすフンザ族や、南米の奥深い高原地域にすむビルカバンバの人たちが飲んでいる水でした。

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そこには100歳を超える長寿の人たちがたくさん暮らしていました。驚くべきことに、彼らは自分たちの長生きの要因が自分たちの普段使っている飲料水であることを知っていました。

調べてみると、標高2000メートル以上の山から流れる谷川の水は、カルシウムやマグネシウム含有量の多い「硬度が高いアルカリ性の水」でした。彼らの長生きの秘訣(ひけつ)は、飲料水の硬度、特にカルシウムにあることがわかりました。

「カルシウムを多く含み、弱アルカリ性の水」が長寿を導く水だったのです。

日本にもある良い水

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私は「良い水を求める世界の旅」の中で、日本にも健康に良い水がきっとあるに違いない、と思うようになりました。なぜなら、日本は世界で最も水の豊富な国であることを、私自身が実感していたからです。

探して見ると、日本でも素晴らしい水がたくさんあることがわかりました。

今、私が日常的に気軽に飲んでいる水は宮崎県小林市、北霧島山系のシリカ水です。宮崎県北霧島と言えば、日本神話の舞台として、あるいは霧島温泉が有名な場所です。

この湧水の最大の特徴は、シリカ(ケイ素)が豊富に溶け込んでいることです。私たちの体は、約60兆個もの細胞によって構成されています。その細胞壁を強化する働きが、シリカにあることがわかっています。この水を飲んでいると肌が美しくなり、髪の毛が増え、骨も丈夫になって骨粗しょう症を予防することが認められています。

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島根県の金城の水は軟水で、赤ちゃんからお年寄りまで誰でも飲める水です。しかも、アルカリ性で、脳梗塞や高血圧などあらゆる病気の元凶となる活性酸素」を抑える水だったのです。

三重県奥伊勢の水は糖尿病に効く水でしたし、愛媛県と高知県との県境に接する四国カルストから湧き出る水は、私たちを若返らせる不思議な水でした。大分県竹田市の一角にある長湯温泉の水は「疲れを取り、新陳代謝を高める癒やしの水」であることがわかりました。

生命の源である水

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「万物の根源は水である」という言葉を残したのは、哲学の祖とみなされているタレス(紀元前624~646年ころの人物と言われている古代ギリシャの哲学者)です。その後、今日までの科学の進歩は著しいものがありますが、水というものの本当の姿は現在に至っても必ずしも明らかにされていないのが実情です。

本コラムでは水が持つ不思議な性質を少しでも明らかにし、私たちの健康に水がどのように影響を及ぼしているかについてできるだけわかりやすく解説して行きたいと思います。

藤田 紘一郎

東京医科歯科大学名誉教授

著者紹介

藤田紘一郎

藤田紘一郎 (ふじたこういちろう)1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学卒。東京大学医学部系大学院修了、医学博士。
金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。

1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を授与。
2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉章を受賞。

主な近著に、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)『脳はバカ、腸はかしこい』(35館)、
『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』(ワニブックス【PLUS】新書)などがある。

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