新陳代謝を活発にする抗酸化水【藤田紘一郎先生の水で健やかVOL.10】

体によい水の条件として「水がアルカリ性」であることを述べました。アルカリ性の水がヒトの体に適していることは、理論的にも納得できます。なぜなら、人間の体はpH7.4前後の弱アルカリ性で保たれていますから、アルカリ性の水を飲んで体液や血液などが弱アルカリ性に保たれていると、新陳代謝が活発になるからです。

私たちの体はおよそ60兆個もの細胞で構成されていることはお話ししました。この膨大な細胞は、日々古いものが新しいものに生まれ変わる活動を繰り返しています。これを新陳代謝と言います。新陳代謝が正常に保たれていると、人の体は、いきいきとしたフレッシュな細胞で構成されることになります。

ところが、加齢とともにこの新陳代謝の力は衰えていきます。古い細胞が集まった場所からは、老化や病気が生じます。加齢とともに病気が増え、老化が進んでいくのは、新陳代謝の力が衰えていることにも一因があります。
また、人の体は疲労すると酸性化することもわかっています。

アルカリ性の水を日常的に飲むことは、新陳代謝を活発にし、酸性化しがちな体内を弱アルカリ性に保つために大事なことなのです。

糖尿病の発症と悪化を防ぐために

加齢とともに増えてくる病気に糖尿病があります。現在、日本人の5人に1人が糖尿病もしくはその予備軍と推定されています。ここまで聞くと、糖尿病と言えば、年配者の病気と思いがちですが、食生活の乱れ安い現代では、中学生や高校生が発症することも珍しくなくなってきました。
糖尿病の発症にも、活性酸素が関与することがわかっています。糖尿病を発症する原因の一つに肥満がありますが、肥満も体内の活性酸素量を増やす一因です。
太った人は年齢以上に老けて見えるものです。私も太っていた時には、実年齢を告げられると「えっ!」という顔をされたことがありましたが、太っている人が年齢より老けて見えるのは、体形だけの問題ではないのです。太っている人の体内が常に活性酸素で充満している状態になっているため、老化のスピードが速いからです。

太っている人が糖尿病になりやすい原因もここにあるのです。糖尿病はインスリンと呼ばれるホルモンの作用不足によっておこる病気です。インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)を細胞内に取り込む働きがあります。そのため、インスリンの分泌が低下してしまうと、体は血糖をコントロールできなくなり糖尿病を発症したり、あるいは悪化させたりしてしまうのです。

この大事なインスリンを分泌しているのが膵臓(すいぞう)にあるβ細胞です。このβ細胞は、活性酸素の影響をとても受けやすい性質をしています。活性酸素でβ細胞が傷害されれば、インスリンの分泌力は低下し、糖尿病が起こることは避けられなくなります。 
糖尿病の発症と悪化を防ぐには体内の活性酸素を減らす努力が必要なのです。糖尿病ばかりではありません。高血圧症や脳梗塞、心筋梗塞、アルツハイマー、認知症など200種類に及ぶ病気の原因は活性酸素だと言われています。

新陳代謝を活発にして抗酸化力を持つアルカリ性の水

体内の活性酸素を抑える水がいろいろあります。まず第一に石灰岩層や磁鉄鉱などの地層を通ってきた自然の「生」の水です。人工的に作った水で、活性酸素を抑える水もあります。
その一つが「アルカリイオン水」です。水を電気分解すると、アルカリ側に集まる水と酸性側に集まる水とに分かれます。このアルカリ側に集まる水を「アルカリイオン水」と言って、飲むと体内の活性酸素を抑える作用があります。

もう一つが、水に水素を添加した「水素水」です。
日本の天然の水で「抗酸化作用」を示す水は幾つか知られています。軟水では島根県の金城地域で湧き出している天然水が有名です。硬水では愛媛県の四国カルストの天然水です。松山から車で2時間半、高知県との県境に接する海抜1500mの大川嶺を主峰とするこの地域は、私が訪れた時には真っ白な雪で美しく覆われていました。
ここの水は、青色の緑泥片岩と赤色の蛇紋岩が鍾乳石に溶け込んで、さざれ石となった岩の間から勢いよく湧き出しています。カルシウムやマグネシウムのほか、シリカやバナジウム、サルフェートを含むこの水は硬度106・6㎎/ℓの中硬水、pH8.0のアルカリ性の水です。調べてみると、抗酸化力にとても優れた水であることがわかりました。

現在、厚生労働省が認めている「機能水」に「アルカリイオン水」があります。アルカリイオン水とは、先に述べたように、水を電気分解してできるアルカリ性の水です。アルカリイオン水を作る整水器は、1966年に「医療用物質生成器」という名で厚生労働省(当時)から承認を受けています。

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最近、「記憶力に関する水」としてにわかに注目を集めている水があります。それは「水素水」です。水素水には、アルツハイマー病などの認知症の予防と改善に効果があるのではないか、と期待が集まっているのです。
認知症は、神経細胞が変成する病気です。神経細胞を変成させてしまうのは、脳に蓄積した活性酸素です。活性酸素を消す水素水を飲み続けていると、神経細胞の変成を防ぐことができ、認知症を改善できるというわけです。

東邦大学の石神昭人博士と東京都老人総合研究所などの研究では、水素水がマウスの脳にたまっていた活性酸素の量を減らすことが示されました。
日本医科大学の太田成男教授らの研究でもストレスを加えたマウスに水素水を与えたところ、マウスの記憶力の低下が半減していました。ストレスを加えたマウスの海馬には活性酸素で変性した細胞が蓄積していました。ところが、水素水を与えると、活性酸素が消え、変成細胞が減っていることが観察されたのです。

このように、新陳代謝を活発にし、抗酸化力の高いアルカリ性の水を飲み続けていると、糖尿病をはじめ、脳梗塞や心筋梗塞、アルツハイマーや認知症などの重要な病気の予防や改善に効果が期待できるというわけです。

藤田先生のウォーターレシピ

【水】体の新陳代謝を高めるために:抗酸化作用のある水

【飲み方】1日1~1・5ℓを朝と夜に分けて飲む。

 

藤田 紘一郎

東京医科歯科大学名誉教授

 

著者紹介

藤田紘一郎

藤田紘一郎 (ふじたこういちろう)1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学卒。東京大学医学部系大学院修了、医学博士。
金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。

1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を授与。
2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉章を受賞。

主な近著に、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)『脳はバカ、腸はかしこい』(35館)、
『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』(ワニブックス【PLUS】新書)などがある。

 

 

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