「むくみ」の解消にはカルシウムとサルフェート入りの水【藤田紘一郎先生の水で健やかVOL.15】

15-1

「水を飲むと太る」と考えている人が多いと思います。しかし、水のカロリーは0です。やせることはあっても、太ることはありません。
太るとは、無駄な脂肪が体につくことです。水が脂肪になることなど、ありえません。また、水を飲んで「むくむ」と思っている人も多いと思います。確かに腎臓の悪い人が一度に多量に水を飲むと「むくむ」ことがありますが、普通の健康な体では、水を飲むのを控えれば「むくみ」は余計にひどくなるのです。

むくみの原因

水をコップ一杯飲んで、体重計にすぐに乗れば、体重は200g増えます。これは当然です。飲んだ直後は水が体にとどまっているので、そのまま体重に反映されるからです。しかし、飲んだ水は体に吸収されて活用され、その分、体内にあった古い水分が汗や尿となって排泄されるので、体重計の200gは間もなく解消されます。

「水太り」に見えるのは、体がむくんでいる状態なのでしょう。むくみと肥満は、性質が異なります。体や顔がむくむと、「水分のとり過ぎ」といって水を控える人がいますが、これも誤りです。
体がむくむのは、細胞の代謝が悪くなっている状態です。本来ならば、汗や尿として排出されるべき老廃物が体内にたまっている状態なのです。

老廃物は水を飲んで尿として出す必要があります。しかし、体内の水分量が足りていないと、老廃物を水分と一緒に押し出せません。体にとって水は命を守る糧ですから、水分が不足したときほど、体内に水を蓄えておこうとします。こうなると、汗や尿などの老廃物を含む水分まで体が保持してしまいます。これがむくみの状態です。

15-2

つまり、顔や手がむくんでいるのは、水分が体にたまっているからでなく、水分不足の状態なのです。「むくみは体に余分な水分がたまっている状態だから、水を控えるように」とよく言いますが、これは間違いなのです。
つまり、体がむくんでいる時ほど水を飲むことが大事です。それにもかかわらず、「むくんでいるから」と水を控えてしまうと、老廃物を余計に体にため込んでしまい、むくみを悪化させることになるのです。

男女を比べると、女性の方がむくみやすいのは、女性の体質によるものです。成人の場合、体の約60%が水分だとお話ししました。女性の場合は、それよりも平均して約5%少なくなっています。女性の体は、水分を蓄えにくくできていて、水分不足になりやすいのです。これが、女性がむくみやすい原因です。
なぜ、女性の体は水分を蓄えにくいのでしょうか。

むくみの解消に効果的な水

体内の水分の約半分は、細胞に取り込まれています。細胞の水分量は、組織によって違ってきます。たとえば、皮膚は約72%、筋肉は約75~80%もが水分です。一方、脂肪組織が水分を蓄えられる量は、わずか10~30%しかありません。
一般に女性の体は筋肉が少なく、脂肪が多くできています。反対に男性の体は筋肉が多く、脂肪が少なくなっています。この違いが、女性の体から水分を5%も少なくさせてしまっているのです。

一見、太っている人ほど水分を蓄えて見えますが、実はそうではなかったのです。体脂肪の多い人ほど水分量は足りていません。
よって、太っている人ほど水を十分に飲むべきなのです。このことを調べたデータによれば、肥満の人の体は、水分量が50%程度だったのに対し、筋肉質でスリムな人の体は、水分量が65%にもなったとのことです。

なお、塩辛いものを食べるとむくむのは、体には塩分濃度を一定に保とうとする働きがあるためです。この場合は、塩分が余計な水分を蓄えてしまっている状態です。
水分がたまっているのだから、水を控えたくなるところですが、これもやはり、いけません。この場合も、水をしっかりとって、余分な塩分を体外に排出することが大事です。

ただし、水はとればとるほど良いとは言えません。一日に5ℓも飲み続ければ当然、体はむくみます。普通は一日に5ℓもの水は飲めませんが、「水は体によい」と思い込むと、過剰反応して体に無理を強いる人もいます。しかし、「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。どんなによいことも、やり過ぎれば、体の害になります。

水の適量は、一日に1.5ℓ~3ℓまでが範囲内です。その量の中で、体調や体質によって自分で上手に加減してみてください。
むくみの解消に良い水は、血流を良くする水です。
おすすめはカルシウムサルフェートを豊富に含む硬度100~300㎎/ℓの中硬水です。カルシウムには血管を軟らかくして血流を良くする効果があります。サルフェートには老廃物を排出する力が強く、むくみの改善に最適なのです。また、炭酸水にも血流を促進する効果があります。

体のむくみが気になるときは、意識してカルシウムやサルフェートを含むミネラルウォーターを飲み、新陳代謝を高めることで発汗作用や利尿作用を活発にさせることが大切です。
簡単に言えば、水を多めに飲み、どんどん汗や尿の量を増やせば、体内に滞留していた余分な水分も排出され、むくみがとれたすっきりした顔や体が取り戻せることになるのです。
筋肉量が少なく、脂肪の多い人は水分量が少ないことを自覚して今日からでも、気がついたら、水分補給に心がけてください。

ただし、300㎎/ℓ以上の硬度が高い超硬水になると、利尿作用が働きすぎて逆効果になるので注意が必要です。

なお、むくみは腎臓機能の低下によっても起こります。腎臓の弱い人は、ミネラル分の豊富な水を継続して飲んではいけません。水を飲んでいてもむくみがとれなかったり、それ以上にひどくなったりした時には、水を飲むことをいったん中止しなければなりません。また、それと同時に、医師の診断を受けるようにしてください。

藤田先生のウォーターレシピ

【水】むくみの改善:カルシウムとサルフェートを含む中硬水

【飲み方】コップ一杯ずつこまめに飲む。ただし、硬水は就寝前はNG

 

藤田 紘一郎

東京医科歯科大学名誉教授

 

著者紹介

藤田紘一郎

藤田紘一郎 (ふじたこういちろう)1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学卒。東京大学医学部系大学院修了、医学博士。
金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。

1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を受賞。
2000年、ヒトATLウィルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。

主な近著に、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)『脳はバカ、腸はかしこい』(35館)、
『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』(ワニブックス【PLUS】新書)などがある。

診断コンテンツ
検討リスト: 0 件
開く
全クリア
TOP