ミネラルが不足すると心の病が引き寄せられる【藤田紘一郎先生の水で健やかVOL.28】

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イライラや不安、怒り、悩みなど、現代社会に生きていると、ストレスを感じさせることが次から次に襲いかかってくるものです。私はストレスによって大事な免疫力を落としてしまうのが嫌なので、なるべくストレスを回避しながら生きているつもりですが、それでもストレスの原因となる出来事は起こってきます。

ストレスが引き起こす免疫力の低下

ストレスが免疫力に与える悪影響ははかりしれません。私は以前、アレルギーとストレスの関係を調べるために、マウス実験をしたことがあります。マウスが餌を食べるたびに、しっぽに電流をかけてストレスを感じさせたのです。すると、びっくりすることが起こりました。マウスがたちまちアトピー性皮膚炎になってしまったのです。

「水分不足は万病のもと」になりますが、「ストレスも万病のもと」です。もちろん、すべてのストレスを回避して生きることなどできません。自分の中で対応できる程度の程よいストレスは、「がんばろう」というやる気を高めてくれますが、過度のストレスは免疫力を低下させるもとになります。

ですから、ストレスは、小さなうちにこまめに回避していくことが大事です。水には心を落ち着かせる鎮静効果があります。イライラや不安、怒り、悩みなどの負の感情が心にわいてきたら、すぐにコップ一杯の水を飲んでみてください。心が落ち着くはずです。冷静さを取り戻せれば、自分をイライラさせる原因の本質を見極められ、対処できるでしょう。心に感じるストレスは、行動することによって解消できるものです。

なお、飲む水は、「おいしい」と自分が感じる物を選びましょう。人が「この水、すごくおいしいよ」と勧めてくれた水を、自分も「おいしい」と感じるとは必ずしも限りません。人は自分の体調に合っている水を「おいしい」と感じるからです。

おいしい水とは体に合っている水

「日本は軟水の国だから日本人には軟水があっている」という人がいます。ふだんから飲みなれている水は、確かに一口目は「おいしい」と感じるものです。しかし、その水が体に合っていなければ、飲み続けているうちに「まずい」と感じるようになります。

コントレックス」などの超硬水が日本でも売り出されたとき、「なんだ、このまずい水は」と多くの人が言いました。しかし、現在はいつでもどこでも買えるほど、私たちの生活に浸透しています。飲み続けていたら「おいしい」と感じる人が多くなったから、売れ続けているのです。とくに便秘に悩む女性は、超硬水を「おいしい」と感じます。超硬水には排便作用があり、飲むと便がスルリと出てきます。この心地よさが、水をおいしいと感じさせるのです。

また、その日の体調や心理状態によっても、おいしいと感じる水は違ってきます。たとえば、疲れやイライラ、不安などを感じる時には、ほどよく冷えた炭酸水が美味しく感じるものです。

このように、飲む水は、心と体の声に従って選ぶようにしましょう。

人類がミネラルを欲する理由とは

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人類はミネラルを接収しながら発達をしてきました。
現在、ミネラル不足で、バランスを崩し、うつ病などの心の病気に苦しむ人が増えています。心のバランスを崩しやすい人が増えている背景には、ミネラル不足が大きく関与していることでしょう。カルシウムマグネシウムには、心をリラックスさせる作用があります。そのため、ミネラルが不足しバランスがくずれると、心は不安定になってしまうのです。

なぜ、私たちの心と体は、これほどまでにミネラルに影響を受けやすいのでしょうか。

ミネラルは、体内にわずか数%しか存在していません。しかし、絶対に欠かせない栄養素です。欠乏すれば、生命を維持できなくなります。ミネラルは、人間にとってそれほど重大な栄養素なのです。

その理由は、人間の進化の過程にありました。地球上に生物が誕生したのは、海の底でした。海水には、多くのミネラルが含まれています。やがて、陸上で生活する生物が現れました。彼らが飲みつないできたのは、自然界に流れる生水です。地層を深く通過して湧き出た水には、ミネラルが豊富に含まれていました。生物はミネラルの豊富な生水を飲みつなぐことによって、生命の仕組みや体の機能を発展させ、高度な生物へと進化していったのです。

私たちの生命活動がミネラルに大きな影響を受けているのは、人類がミネラルをたえず摂取しながら心と体を発達させてきたからです。

ところが近年、ミネラルが不足している人が多くなっています。サプリメントや栄養食品から、特定のミネラルばかりを摂取し、ミネラルバランスを大きくかいた人も少なくないようです。

かつて日本人が飲んでいたのは、井戸か番茶くらいでした。現在のように、ジュースやスポーツドリンク、多種多様なお茶、コーヒーなどを飲む機会はなかったのです。

日本は軟水が多いとはいえ、井戸水にはミネラルが含まれています。のどが渇けば、水をがぶがぶ飲んでいました。しかし、今は生水を飲む機会が減り、ここにも原因があるでしょう。また、数種のミネラルが互いに影響し合って体内機能を整えています。ミネラル摂取においてもっとも重要なのは、バランスです。特定のミネラルばかり過剰に摂取することは、健康に良いどころか、かえって体の害になります。

バランスよくミネラルをたっぷり含んでいる生水は、心身の健康を増進させるための地球からの贈り物です。「ストレス社会」と呼ばれる現代に生きる私たちは、このプレゼントに感謝しつつ、たっぷりとごちそうになりたいものです。

さて、もう一つ現代社会で大きく問題になっていることが、高齢化社会です。できることならば、ボケずに長生きしたいものです。そう願う私は、毎日、良質の水を2ℓ飲みます。脳の健康において、水ほど重要な物質はありません。人間の脳の約80%は、水でできているからです。水がわずかな量でも減ると脳は正常に働けません。それほど脳の組織は水分不足に弱い作りをしているのです。脳のためまた、ストレス解消のため、良い水を飲んで元気に暮らしましょう。

藤田先生のウォーターレシピ

【水】ストレス解消:美味しいと感じる水

【飲み方】体調と相談しその都度チョイスする。

 

藤田 紘一郎

東京医科歯科大学名誉教授

 

著者紹介

藤田紘一郎

藤田紘一郎 (ふじたこういちろう)1939年、旧満州生まれ、東京医科歯科大学卒。東京大学医学部系大学院修了、医学博士。
金沢医科大学教授、長崎大学教授、東京医科歯科大学教授を経て、現在、東京医科歯科大学名誉教授。専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。

1983年、寄生虫体内のアレルゲン発見で、小泉賞を受賞。
2000年、ヒトATLウィルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。

主な近著に、『50歳からは炭水化物をやめなさい』(大和書房)『脳はバカ、腸はかしこい』(35館)、
『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』『人の命は腸が9割』(ワニブックス【PLUS】新書)などがある。

 

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