水道をひねったらピンクの水が!こんなこと本当にあるの?

水道をひねったらピンクの水が!こんなこと本当にあるの?

日本は、世界でも有数の「安全な水」が飲める国として知られています。そしてカナダもまた、日本と同じように、水道水がそのまま飲める国(もっともカナダは硬水の文化なので、日本人が飲んだ場合、おなかを壊す可能性はあります)でもあります。

しかしこの、安全な水道水が出るはずのカナダで珍事が。なんと、水道から鮮やかなピンク色の水が出たというのです!今回は、この珍事のいきさつとその理由について見ていきましょう。

 

その事件は、2017年の3月6日に起こった

比較的住みやすい街、と評する人もいる、カンダのアルバータ州の「オノウェイ」という町。この町で、2017年の3月6日に珍事が起こりました。

それが、「水道をひねったら、鮮やかなピンク色の水が出てきた」というもの。

この色は、「少しピンクがかっているような……?」「日の光の下でみたら、ピンク色に見えるような水だ」「意識して見れば、ピンク色に見える」といったものではありません。人工着色料を溶かし込んだキャンディーのような鮮やかなピンク色であり、見る人間を驚かせるくらいの鮮烈な色です。洗面台にピンクの水が広がる光景というのは、多くの人を戸惑わせました。

2017年の3月、春先に起きたこの事件は、オノウェイの町の人々を大いに困惑させました。ではこれは、いったい何が原因で起こったことなのでしょうか?

 

その理由は「過マンガン酸カリウム」にあった!

この「水道水がピンク色に染まった」ということの原因は、「過マンガン酸カリウム」と呼ばれる物質にあります。

色だけを見ると、まるで毒物か何かのようなものに思えます。そして実際過マンガン酸カリウムは皮膚炎を引き起こす可能性のある物質でもありますが、実は私たちの生活に非常に役立ってくれているものです。

過マンガン酸カリウムは、「マンガン塩酸」と呼ばれるもののうちの一つです。深い紫~赤色の結晶を持っています。(「深い緑の色だ」ととらえる人もいます)水に溶かすと、水の色が鮮やかな赤色~紫色に染まるという特徴があります。

ここまでお話しすればわかるかと思いますが、カナダで起きた「ピンクの水」の事件は、この過マンガン酸カリウムが水道水に溶けたことにあるのです。

過マンガン酸カリウムは、上でも述べたように、「毒物などではなく、私たちの生活に非常に役立ってくれるもの」です。水に溶かすことにより、浄水処理をすることができます。いらないマンガンを取り除いたり、飲みにくさを感じる臭いを軽減したり、味をよくしたりすることができます。このような働きがあるため、飲料用の水道水だけでなく、下水の処理にも過マンガン酸カリウムが利用されています。特に、アメリカなどでは過マンガン酸カリウムを使い、環境に対して働きかけています。

これは、「加えるだけ」でこのような効果を得ることができるため、非常に使い勝手のよいものです。カナダでも、過マンガン酸カリウムを使った処理が行われていました。

しかしながら、事件があったとき、実はこの浄水作業のための弁が壊れてしまっていたのです。そのため、本来は入り込むはずのない貯水池の方に過マンガン酸カリウムが入ってしまいました。

業者はそののち、貯水池をあけて、過マンガン酸カリウムをなくしました。しかしながら、わずかに残っていた過マンガン酸カリウムが、水道水をピンク色にそめてしまった……というわけです。

上でもお話したように、過マンガン酸カリウムは、もともと浄水のために使われているアイテムです。

そのため、仮に水道水がピンク色にそまったとしても、それによる健康被害などはありません。ただ、水道水を飲もうと思って蛇口をひねったらピンクだった……という経験は、多くの人の目を、この上もなく驚かせたことでしょう。

 

日本でも同じことは起こるの?

最後に軽く、「日本でも同じことが起こるのか?」ということとあわせて、日本の過マンガン酸カリウム事情について見ていきましょう。

日本では、1877年ごろから、過マンガン酸カリウムが使われ始めました。現在も、松戸市を含め、過マンガン酸カリウムを消費して作られている水道水はあります。

ただ、専門家の間では、この過マンガン酸カリウムに対して疑問を呈する声があるのも事実です。そのため、しばらく時間をおけば、過マンガン酸カリウムがまったく使われなくなることもあるかもしれません。

 

おわりに

「ピンク色の水が水道から出てきた!」ということになったら、あなたはまずは何を考えますか。私は真っ先に、「水道がさびていたの?!」と心配してしまうかと思います。たとえ、「さびたからといって、ここまで鮮やかなピンク色にはならない」とわかっていても、です。それほどにまで、「ピンクの水道水」は驚くものでしょう。

ちなみにこの、ピンクの水事件ですが、きちんと町側からの謝罪があり、健康上のトラブルも起きていません。

 

 

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