有名な地酒と名水地の関係~島根~

有名な地酒と名水地の関係~島根~

日本でもっとも有名な神社の一つである「出雲大社」を擁する島根県。ほかの土地では「神無月」と言われる10月も、島根県の場合は「神在月」となります。これは、ほかの土地の神様がいっせいに出雲大社に出かけてしまうからなのだとか。

そんな有名な出雲大社がある島根県は、名水地としても知られています。そして、名水のあるところには、必ずと言ってよいほど、「良いお酒」も出てきます。

 

ろ過剤不使用、「王禄」のこだわり

島根県で地酒を作り出している「王禄」は、非常に特徴的な酒づくりをしています。

王禄の作るお酒は、どれも一切ろ過剤を使っていません。また、すべての商品が生、もしくは生詰で作っています。もちろん、ろ過剤を使うことが悪いわけではありません。ただ、「ここでしか飲めないお酒」「生きている状態のお酒」を味わえるという意味で、日本酒好きならば一度は飲んでみたいお酒だと言えるでしょう。

ちなみにこの王禄という酒造は、非常に厳格であり、ストイックな酒蔵です。明治5年に創業されましたが、2016年の12月現在、蔵の見学や試飲などはまったく行っていません。小売りも行っていないため、「観光地」としての性格は持ちえない酒蔵です。

また、購入の際も、温度管理を考えて、「3本以上の購入はできない」としています。「おいしいお酒をつくることだけに心と時間をそそぐ」というのが、この王禄の方針のようです。

王禄は、自社の名前を掲げたお酒を多数打ち出しています。しかしそのなかでも、独特のルールと、そして何よりもその希少性が高く評価されているのは、「直汲み」という手法でつくられている「丈径(たけみち)」や「王禄八○(おうろくはちまる)」でしょう。

直汲みというのは、非常に特殊な酒です。お酒をつくるときに生じる酸を瓶の中にとじこめたものであり、ほんのわずかしかできません。お酒全体の量を100とするならば、直汲みでつくることのできるお酒の量はわずか10程度だと言われています。全体の1割にしかすぎない、とても貴重なものなのです。

前者の「丈径」の方は、山田鈴というお米を使用しています。熱燗にして飲むと旨味が広がると言われており、味わいが非常に深いお酒です。後味もよく、高い評価を得ています。

王禄は、たしかに見ようによっては、「とっつきにくい蔵元」と感じるかもしれません。

しかしお酒づくりにかける真摯な情熱、「生きている状態のお酒を打ち出したい」という熱意、徹底した品質管理をみていけば、それが決してマイナス評価に繋がるわけではない、とわかるはずです。

購入は少し大変ですが、島根らしい地酒を味わいたいのなら、一度は試してほしい酒蔵です。

 

「気軽に試して!」がコンセプト、「吉田酒造株式会社」

王禄とはある意味では正反対の立ち位置にいる、とも言えるかもしれないのが「吉田酒造株式会社」のつくりだす地酒です。

吉田酒造株式会社の扱う商品は「月山(げっさん)」ですが、これにこめられた想いは、「もっと気軽に、手軽に、初心者の人でも、日本酒をまったく知らない人でも日本酒を楽しんでもらいたい!」というもの。

初心者向けのお酒をたくさん用意しており、全体として味がとてもすっきりしています。また、日本酒の匂いが苦手、という人にも飲みやすい、とてもフルーティーな香りがするお酒を販売しています。

そのなかでも、広島の国税局清酒鑑評会において、「香り」「味」「熱燗」の3部門で優等賞を獲得した「大吟醸 扇」「純米吟醸 扇」「特別純米 扇」の3本がおすすめです。

「香り」を重要視するならば「大吟醸扇」を、「味」を重要視するならば「純米吟醸 扇」を、「冬の寒い時期に熱燗を試したい」ということであれば、「特別純米 扇」を試すとよいでしょう。

島根県のとっておきの水で作られていたこの地酒は、かつては藩主にも納められていました。ちなみに、吉田酒造株式会社が、時の藩より酒造許可をもらったのは、今から270年ほども前、1743年のことであったとか。

ちなみに、非常に珍しいことではありますが、吉田酒造株式会社では「蒸留酒」も作っています。日本酒をつくったときに生じる酒粕で作った蒸留酒であり、その度数は35パーセント!吉田酒造株式会社の日本酒が気に入った、という人は、これを試してみるのもよいのではないでしょうか。

商品名だけがちょっとわかりにくく、多くの商品が「月山」と呼ばれているので、注文の際はご注意を。

 

おわりに

「生の日本酒」にこだわり、販売環境にもこだわって作る「王禄」のお酒と、「飲みやすさ」を信条として初心者さんでも手軽に楽しめる日本酒を提供している「吉田酒造株式会社」。

好みはもちろんあるかと思いますが、どちらも優れた酒蔵ですから、島根県を旅行するのなら、ぜひのぞきたいものです。出雲大社へのお参りの後のお土産としても最適ですね。

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