都内で冷水機が撤去中?その理由とは

都内で冷水機が撤去中?その理由とは

都内の地下鉄の駅では、ホームにあった冷水機が順次、撤去されていることをご存じでしょうか?

少し前までは、駅のホームに冷水機があるのが当然で、渇いたのどをうるおしてくれる水飲み場として乗客に利用されていました。「少しのどが渇いているけど、自動販売機で飲み物を買うほどでもない」といったときに助かる存在だった冷水機が、なぜ撤去されていってしまうのでしょうか?

冷水機が駅に設置された背景や、撤去されていく理由などについて、調べてみました。

 

日本の駅に冷水機が設置されたのは昭和41年から

冷水機は、水を冷却して給水する装置。その歴史は意外と古く、1906年にアメリカで飲料用噴水が作られたのが始まりとされています。

当時は、まん延していた腸チフスに対抗するために安全な水を供給する、という目的で作られました。氷の塊で水を冷やしていたのが、その後改良を経て、現在のような電気で水を冷却するものへと進化していきました。

現在の水機は、一般的にはボトルレスの冷却機とボトル入り冷却機の二つのタイプに分けられます。

ボトル入り冷水機はご家庭でもよく利用されているウォーターサーバーと同じもので、各メーカーから定期的にミネラルウォーターのボトルが届けられ、電気で冷却するようになっています。もうひとつのボトルレスの冷水機は、水道に直結しており、こちらも電気で水を冷却します。

ボトルレスの冷水機は地下鉄の駅のホームや学校、公共施設などに置かれていることが多いのが特徴です。駅のホームに設置されているのは床置き型で、蛇口付近にあるボタンを押すか、足元にあるペダルを足で踏むことで水が出る仕組みになっています。

初めて駅のホームに設置された冷水機は昭和41年、銀座駅が初めてだとされています。電気で水をしっかり冷やしてくれるので、汗ばむ季節などに冷たい水を飲むことができるとして、人気が出ました。0系新幹線では昭和39年の開業時から、社内サービスとして冷水器と紙コップが設置されていました。

封筒型の薄い紙コップを開き、ボタンを押して冷たい水を入れたという記憶のある方も多いのではないでしょうか。当時は、まだ自動販売機やミネラルウォーターが普及していなかったこともあり、無料で冷たくおいしい水が飲めるサービスが評判でした。

 

冷水機が撤去されるようになった理由とは

多くの乗客に利用されてきた冷水機ですが、この数年で一気に数が減ってきています。

JR東日本では、2015年の時点で134カ所に減少し、東京メトロでは2014年度に全廃したということ。さらに東京メトロでは、2018年5月までに駅構内に設置されている蛇口タイプの水飲み場についても、全廃をおこなうとしています(他社管理分をのぞく)。

撤去されることになった理由としては、自動販売機が普及したことにより冷水機を利用する乗客がほとんどいなくなったためです。

確かに80年代頃まではミネラルウォーターは市場に出回っていませんでしたが、90年代頃からミネラルウォーターが出回り、普及しています。この頃から「水を買う」という考え方が浸透してきたこともあり、冷水機が利用されなくなってきたのだと考えられます。

ほかの理由としては、衛生面を気にする人が多くなってきた、という面もあります。駅に設置されている冷水機は、ペダルを踏みながら蛇口付近に顔を近づけると水が出てくる仕組みになっていますが、口元からあふれた水が蛇口付近をぬらすのを見ると衛生的でない気がする、水道水はきれいではないのでは、と感じ、利用に抵抗を感じる人もいます。

実際には、清掃など衛生面がきちんと管理されていますし、水道水は普通の上水道なので安全性に問題はないのですが、利用者の苦手意識が浸透してしまっているといえそうです。

そのほか、いたずら防止やホームの効率化のためもあり、冷水機が撤去されている、ということです。

 

家庭用ウォーターサーバーなら安全、安心

冷水機撤去の理由のひとつとして、衛生面への心配が挙げられていますが、それでは家庭用のウォーターサーバーの衛生面に問題はないのでしょうか?

家庭用のウォーターサーバーは、空気と水が接触しないように作られているものが多く、ボトル内に雑菌が繁殖しないように配慮されています。細菌では、ボトルよりも空気の入りづらいウォーターパックを採用している機種も多くなってきています。

また、定期的なメンテナンスをおこなっているメーカーがほとんどですので、赤ちゃんのいるご家庭でも安心して利用できるのです。

 

おわりに

昔から、駅でのどが渇くと気軽に冷たい水を飲むことができた冷水機ですが、残念ながら時代の流れとともに撤去が進んできています。

しかし、ミネラルウォーターが気軽に駅の自動販売機で買える便利な世の中になり、人々が冷水機よりペットボトルを選んでいるということは否定できません。

また、人々の水に関する考え方もだいぶ変わってきていることがわかりました。

慣れ親しんでいた冷水機がなくなってしまうのは少し寂しいですが、都会にいながらいろいろな土地のミネラルウォーターを飲めるのはありがたいですよね。

 

 

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