日本も水不足!?世界の水ストレス問題とは

日本も水不足!?世界の水ストレス問題とは

地球は、表面の70%が水で覆われているため「水の惑星」とも言われています。しかし、その大部分は海水で、私たちの生活用水としては活用できません。

日常的に、私たちが生活用水として利用しているのは、塩分をほとんど含まない淡水です。しかし、淡水は地球上にある水のたった2・5%しかありません。

そのなかから氷河やツンドラ地帯のような永久凍土(常に固く凍っている土地) を除くと、利用できる水はなんと0・8%なのだそうです。この0・8%を世界中で分かち合っているのですね。

現在でも、世界で約7億人が水不足に苦しんでおり、不衛生な水しか得られないために命を落とす子供たちが存在しています。いっぽうで世界の人口は増え続け、水不足はますます深刻になっていくばかりです。

 

水ストレスとは

みなさんは「水ストレス」という言葉をご存じでしょうか?水ストレスとは日常生活を送るのに不便を感じるほど、水が足りない状態のことを言います。

ワシントンにある世界資源研究所(WRI)は、年間を通じて国内の農業・家庭・工業用水を十分に利用できない人が80%以上になると、その地域の水ストレスは、かなり高い状態だと発表しました。

水ストレスの最低基準は、人口1人当たりの最大利用可能水資源量が、年間1700㎥とされています。最大利用可能水資源量とは、生活・農業・工業・エネルギーおよび環境に必要なものすべてが含まれます。

つまり、食料を収穫するまでに使用した農業水、身につける衣服にも生産過程で工業水を必要とします。その1人当たりの量が1700㎥を下回ると水ストレス下にある状態と言えます。500㎥を下回ると「絶対的な水不足」となります。

また国土交通省によると、人口の増加や気候変動の影響で、2050年には世界人口の約40%以上が、深刻な水不足に陥ると言われています。

 

水が不足するとどうなるの?

水資源が豊かな日本では、あまりピンときませんが、水が不足すると私たちの生活はどうなるのでしょうか。

まずは、農業用水が不足すると食料が作れなくなります。水が不足するということは、食糧の不足も意味するのですね。そして食料の価格が高騰し、今のように食べたいものが食べられなくなるかもしれません。

そして、手洗いやトイレで水の使用ができないなど、不衛生からの病気のまん延、貧困とさまざまな社会問題が引き起こされます。

 

水ストレスを引き起こす原因

 

人口の増加

人口が増えると、必要な水の量が増えるのは必然と言えるでしょう。日本は人口が減少していますが、世界では発展途上国の経済成長などの理由から、人口が増え続けています。

 

地球温暖化による気候変動

水資源として利用できる水の量は、降水量に左右されています。ですから、地球温暖化による気候変動は水資源に大きな影響を及ぼします。

また地球の気温が上がることで、積雪量が減ると同じく川の水量も減ります。そして、水温が上昇すると、水源地の水の循環がとどまる、生態系の変化によるプラントンの増殖などから水質が悪化します。

 

水紛争

水は人間にとって生きていく上で、もっとも重要な資源です。その重要な資源が足りなくなるということは、水を確保するためにさまざまなトラブルの発生が予想されます。

ダムができる前は日本でも、水を巡った激しい争いが頻発する時代がありました。記録に残っているだけでも36回です。水を確保しようとする国家間、企業同士のせめぎ合いとなるのは想像できます。

 

実は高い日本の水ストレス、それはなぜ?

水道が完備され、蛇口をひねればいつでも水が出てくる日本。しかしながら、日本は水の輸入大国でもあるのです。これは実際に、水そのものを輸入しているということではなく、輸入している食料に関係しています。

輸入している食料を、自国で生産した場合に消費する水を推定したものが「バーチャルウォーター」です。例えばトウモロコシを1kg生産するには、1800ℓの水が必要です。日本は海外から食料を輸入することによって、自国の水を消費せずに済んでいます。つまり、食料を輸入すると、その生産にかかった水をも輸入していると考えられます。

環境省によると日本の2005年バーチャルウォーター輸入量は、約800 億㎥だそうです。これは日本の年間の水使用量とほぼ同じです。これだけの量を輸入しているということは、日本も水不足だといえます。

世界資源研究所(WRI)によると日本は40%~80%の高リスクの水ストレスに分類されています。

ちなみに日本ミネラルウォーター協会が公表している、2016年ミネラルウォーターの輸入量は34万6370kl。バーチャルウォーターの輸入量とは格段の差です。

 

水不足を防ぐためには

ここまで世界と日本の水ストレスについて述べてきました。では水不足を解消するための取り組みは、行われているのでしょうか?

世界規模では「国連ミレニアム宣言」や「世界水フォーラム」などの場で、水問題解決に向けたさまざまな目標を掲げた取り組みが行われています。

また、アジアでは日本の環境省の提案により、アジア・太平洋水サミット主催の「アジア水環境パートナーシップ」が設立されました。参加国との情報共有やセッションを通して水問題の解決のための活動を促進しています。

日本は世界でも優秀な水道が完備された国です。その高い技術やノウハウを生かして政府開発援助(ODA)を通して国際支援を行っています。

そして、水問題の解決に欠かせないのが技術開発です。海水を淡水に変える、灌漑水(かんがいすい)の運搬効率の向上や、水をあまり必要としない作物の開発など、科学の進歩にも期待が寄せられています。

 

おわりに

水不足を防ぐために、私たちにできることは、ささいなことばかりです。歯磨きをするときもシャワーの時も、水を出しっぱなしにしない、山や森、川などの自然を守るなど。

しかし、その小さな心がけが大きな力となって、未来を変えることができると信じています。青く麗しい地球の運命は、私たちひとりひとりの手に握られているのです。

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