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おいしい水道水の基礎知識-水道水の実態と今後の課題

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水道水を飲み水として利用している人は、どれくらいいるのでしょうか。今は精度の高い浄水器やミネラルウォーターなどを簡単に手に入れられる時代です。飲み水に水道水を使っているという人は、減少傾向にあります。

しかし、水道水は本当に人間の体に害を及ぼすものなのでしょうか。ここでは、水道水の実態について調べていきたいと思います。飲み水以外で使用することもある水道水は安全なものなのか、解説していきましょう。

水道水は厳しい基準によって守られている

貯水池

私たちが普段使っている水道水は、原水から浄水場を経て、きれいな状態で水道管を通り家庭に運ばれてきます。その過程で消毒・殺菌されていますので、危険性は少ないものなのです。

その証拠に、水道法という法律によって厳しい基準をクリアしたものしか、水道水として認められていません。地域によって水質基準は異なるものの、ベースとなる水道水質基準が定められています。

平成15年に制定された基準値をクリアしたものが、現在の水道水です。この時50項目の基準が設けられましたが、その項目の追加などは随時検討されています。人体に悪影響を及ぼす可能性のある物質がないか、長期間体内に取り入れた場合に、問題が生じる可能性を検討しています。

鉛やヒ素、ホウ素などの項目があり、上限値が定められています。決められた範囲内の水道水であれば、問題なく飲み水として使えます。

水に含まれている成分だけでなく、ニオイや口当たりなども厳しいチェックが行われています。塩素によるカルキ臭の度合いや水の温度など、飲み水として使った場合を想定しておいしく感じるように供給しています。

水道水は全く無害とは言い切れない

水道水

水道水がいかに守られているかについて説明しましたが、全く無害とも言い切れません。浄水場では、原水をきれいな水にするために、さまざまな薬品を投入しています。その量が多過ぎれば、人体に何らかの影響を与える可能性があります。

どの地域でも使われている薬品として、塩素があります。タイプはいくつかありますが、塩素系の薬品は扱いやすく殺菌性に優れていることから、よく用いられるものです。しかし、塩素は農薬やダイオキシンを発生させる原因です。わずかな量でも細菌を殺傷する力を持っているため、無害とは言い切れないのです。

塩素は、肌や髪の毛を痛める原因にもなっています。塩素は水に反応すると次亜塩素酸・塩酸を発生させるため、肌をカサつかせたり髪をパサつかせたりすることになります。水分を奪ってしまうため、体の潤いをなくしてしまうのです。

アトピー肌の人が症状を悪化させる原因になることもあります。地域によっては塩素濃度が濃く、過剰に肌に触れた場合に症状が出やすくなるケースがあります。場合によっては水道水に含まれる塩素が害となることがあり得ますが、決められた基準値を超えていない水道水は、特別視されるほど問題になりません。

水道水の今後の課題

水源

水道水の安全性と危険性について述べてきました。ここからは、水道水が今後どのような問題を解決しなければならないのか、その課題について触れていきます。

まずは水源保護の問題があります。日本は水道の普及率が約98%と、世界と比較しても高い数値となっています。水源はダムや河川・湖沼が70%程度で、伏流水や地下水が約25%です。

水には困らない地域と言えますが、それゆえに水源保護という概念があまりないのが実情です。排水規制が厳しくないために、生活排水や下水処理水が、そのままの状態になっている地域もあります。

浄水方法は、自然にろ過するのを待つのではなく、急速ろ過などの人工的な力でこしています。供給量を一定に保ちつつ、コストを抑える目的があるからです。

つまり、今の日本の水道水事情は大きな課題が二つあることになります。一つは水源を守った大切に使うための工夫を凝らすこと。もう一つは、スピードを求めるために急速ろ過を利用することの、安全面の問題を解決することです。

おわりに

いかがでしたか?

水道水の実態と今後の課題について述べてきました。今でも安全性が守られている水道水ですが、さらに改善できる余地はありそうです。

小さな子供から高齢者まで、安心して飲める水をつくり続けることが期待されます。

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