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世界の水道水事情~アメリカ編~

世界の水道水事情~アメリカ編~

季節にもよりますが、日本からニューヨークまで6万円前後で往復できるほど、アメリカは日本にとって身近な国となっています。

しかしその水道水の事情については、深くは知らないという人も多いのではないでしょうか。今回は、「世界の水道水事情」として、アメリカの水道水のことを考えていきます。

広大なアメリカ! その水の硬度やいかに?

ニューヨーク

アメリカは非常に広大です。土地の高低差やその地質はさまざまであるため、地域や都市によって水道水の硬度が違うと言われています。たとえば上でもあげたニューヨーク。ここやキャメロンは、日本よりもずっと軟らかい軟水です。

対して、ラスベガスやモニュメントバレー、グランドキャニオンなどは、その土地柄ミネラルを多く含んでいます。そのためニューヨークやキャメロンとは比べられないほどの硬水であり、「硬水文化」のヨーロッパとほとんど同じか、もしくはそれさえも上回る硬さが特徴です。

また場所によっては、「文献ごと、データごとに異なる」とされているところもあります。たとえば「ヒューストン」の場合、ある資料では「やや軟水より」に位置する数字となっていますが、別の資料では「非常に硬い」となっています。

このようにアメリカは「軟水か硬水か?」についても、「その土地、あるいはデータごとによってかわるので、一概には言えない」となっているのです。

「アメリカの水は飲めるのか」についても意見が分かれる

水道水

ではこの「アメリカの水道水」ですが、そのまま飲んでも問題ないのでしょうか。

実はこれについても、資料によって見解が異なります。「アメリカの水道水は飲めない」としている資料がある一方で、「アメリカの水道水には、高い基準が定められており、水質検査も行われている。大都市であることもあり、水道水はそのまま飲める」としている説もあります。

どちらの説をとるかは、人によって異なるでしょう。ただ「少し不安だな」「おなかを壊しやすいから……」と考える人は、市販のペットボトルを使った方がよいかもしれません。

また上で挙げたニューヨークやキャメロンの場合は軟水ですからそれほど問題にはなりませんが、ミネラル分を大量に含む硬水(グランドキャニオンやモニュメントバレーなど)は、日本人にはなじみがないもの。人によっては、胃腸の調子が崩れてしまうこともあります。「今までの海外旅行で、おなかを壊したことがある」という人はとくに警戒が必要かもしれません。

アメリカの水、その味はどうなっているの?

女性

「水道水を試してみたい」「もともとおなかが強くて、海外旅行先でもおなかを壊したことがない」「1泊2泊で終わるのではなく、長くアメリカに住むことになる。毎回水を買っていたら出費も大きくなりすぎてしまうので、水道水を基本としていくつもりだ」という人に知っておいてほしいのは、アメリカの水道水の味です。

ニューヨークなどの水道水は軟水であり、これは日本人にとってもなじみ深いものです。日本は、地域によって多少の差はあるものの、基本的には軟水の文化であり、軟らかくて優しい口当たりの水に慣れています。このためこれらの地方に滞在する人の場合は、それほど違和感なく水道水を飲めるでしょう。

ただグランドキャニオンなどの「硬水」の場合、人によっては違和感を覚えてしまう可能性も高いと言えます。どこかでとげとげしい風味を感じてしまい、飲むのがつらく感じる人もいるかもしれません。舌が鋭い人の場合はとくに注意が必要です。

料理についても考えていきましょう。料理に関しては、アメリカの水は基本的には問題なく使えます。軟水の地方は、日本の和食概念の一つである「ダシ」をとることに向いていますし、日本食を再現したい人にとっては住みやすい街となるでしょう。逆に、「お肉料理が基本である」「スパゲッティが好き」という人の場合、これをおいしく調理してくれる硬水地方が向いていると言えます。

「この料理を作りたいから、ここに引っ越す」ことはできないまでも、「その地方の水を使って作れるおいしい料理」は知っておいても損がありません。

「飲用としての水道水」を中心と触れてきましたが、実は、この「水道から出る水」は普段の生活にも影響します。硬水で髪の毛を洗ってしまうと、洗い上がりがかなりごわつくことも……。実は私が硬水の地方を仕事でまわっているときに、真っ先に感じた不満点がこれでした。硬水は、飲んでもおなかを壊すことはありませんでしたが、「髪の毛のごわつき」はどうにもならず、かなり苦戦した覚えがあります。

おわりに

かつて、多くの人が憧れた広大な土地「アメリカ」。その広大さゆえでしょうか、アメリカは、一つの国のなかでも、水道から出てくる水の特色がまったく異なります。その地方の水にあった料理を作っていくとよいでしょう。

ただ女性にとっては、髪の毛が激しくごわつく硬水地方は、住むには少し大変なところだと言えるのかもしれません。

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